Calmi Cuori Appassionati
MG サザビー Ver.Ka 【GBWC2013ゴールドトロフィーVer.】製作記(前編)
前回の記事からすこし間が空いてしまいましたが、金サザビー製作の後編となります。
まず最初に、この金サザビー製作は前作のGセルフと同じくTwitterのほうで製作進捗をアップしておりました。
GBWC世界大会でいただいた金メッキ仕様のサザビー。箱のまま我が家のインテリアの一部になってたけどずっと置いているのもアレなので少しアレンジを加えて組んでみることに。しかしすごい金色。。 pic.twitter.com/1DJMteSDpi
— shunneige【シュン】 (@shun_m47) 2015, 1月 5
【金メッキ サザビー製作】
悩んでいた目立つ部分のゲート跡(1枚目)。形を整え段落ちや凹モールドの一部になるよう加工を加えてます(2枚目)。下地が出た(赤い)部分には最後に金の塗装、または金メッキのシールを。 pic.twitter.com/V02gOZ5iuj
— shunneige【シュン】 (@shun_m47) 2015, 1月 11
Twitterは140文字制限のある短文投稿サイト(画像がつくと110文字くらい)
ブログのように長い文章での説明できませんが、こういった簡易的にまとめた内容で比較的気軽に製作の進捗を毎回アップさせていただいてます。
リプライ、いわゆるコメントも気軽に出来、自分も今はこのTwitterでたくさんの皆様と交流させていただいているのです。
そのTwitterでのサザビー製作進捗。
製作当初から3〜4日置きに製作進捗のツイートをしていたのですが、
途中ある時期全くツイートしていない期間がありました。
【金メッキ仕様サザビー製作】
メッキの特性にも少し慣れてきたので、パーツ分割、パーツを薄く成形、凹モールド、スジボリ等を追加しています。
ディテールデザインは自分が以前製作したHGサザビーをできる限り踏襲してみたいと思います。 pic.twitter.com/7ZWRUbZc26
— shunneige【シュン】 (@shun_m47) 2015, 1月 12
1月15日、これが1月の最後。
一昨年のGFTで展示されていた見本との比較(同じものです)。今回もう一つ気をつけているのは「メリハリ」と「映り込みの抑制」。パーツの裏側などにツヤがないブラックを塗って映り込みを抑制させ金の質感の雰囲気を変えています。 pic.twitter.com/szNxXMCDtf
— shunneige【シュン】 (@shun_m47) 2015, 1月 15
次が2月6日。
【金メッキ仕様サザビー製作進捗】
慎重にメッキ面へスジボリ、モールド等を加えつつ上半身は8割ほど完成。目立つ部分のヒケ面に対してはプラバンで工作したものをディテールとして加えています。 pic.twitter.com/8eeZ8H9zGa
— shunneige【シュン】 (@shun_m47) 2015, 2月 6
1月15日から2月6日までの23日間、全くツイートが出来ませんでした。
メッキ面への(手作業での)「加工」。
前編の最後に書いた、その膨大な量とともに精度もスピードも要求されるかなりタフな作業。
あれから2ヶ月経ち、あらためてあの当時の製作を思い返してもあれだけ集中していたのは模型製作では初めてだった気がします。
そんな23日間の間にどのような製作をしていたのか、Twitterではアップしていない画像なども含め部位毎に解説を加えたものをこの「金サザビー製作記(後編)」としたいと思います。
(製作中のほとんどの写真がiPhoneのカメラで一部粒子が粗く見づらい画像もありますがご了承ください)
【フロントアーマーの加工】


前編のほうは頭部加工が最後だったので、その続きから。
次に加工をはじめたのは腰部分でした。
必要な場所はパーツ分割をして、メリハリを出すための金色から黒への一部変更。
要所での凹モールドとスジボリ追加。
そして装甲パーツを薄く加工していきました。
【股間アーマーの加工】


ここには大きく目立つヒケがあったので一旦凹モールドを作成した後、プラバン工作で作った凸モールドを設置し、ディテールの一部としました。

そして映り込みの軽減。
メッキは鏡面仕上げ。角度によって大きくメッキ同士が映り込んでしまう場合があるのです。
あまり大きく映り込むと形状などわからなくなってしまうため、それをこの作品では「軽減」させています。
股間アーマーの一部分はカットして内部フレームを見せる形に。
その内部フレームもプラバンやスジボリ、凹モールドなどを加えてそれっぽく加工しています。
【サイドアーマーの加工】

ここにも大きなヒケがあったので、先程の股間アーマー同様に1度凹モールドを作成したのち、プラバン加工したものをはめ込みディテールの一部に。
各所に凹モールドを追加作成。
【肩上部の加工】

この部分にも目立つヒケがあったので開口後にプラバンで作ったディテールを設置。
【胸部横の加工】

【胸部全体の加工】


ここにも映り込みが大きい箇所があったので、黒または形状を変えることでそれを軽減させています。

そして、加工したプラバンなどを加え、各所にスジボリ、凹モールドを作成。
【肩サイドの加工】

ここも装甲パーツを0.2mm均一に薄く加工。

矢印の部分などはヒケ、またはゲート跡があったので形状をカットしたりプラバンを追加してディテールの一部としています。
【上半身の完成】
一部メッキ装甲裏の黒塗装をしていない箇所や、のちにディテールを加えていった箇所等ありますが約9割完成した時に撮った画像です。



この上半身が出来るまでの約3週間、かなりタフな製作になりましたが、
自分が当初イメージした形になんとか仕上がってくれたことにホッと安堵の気持ちと、それが形になって目の前にある高揚感みたいなものはとても大きいものでした。
【上半身の比較(赤いサザビー)】





緑の印をつけた部分がゲート跡、それを形状や場所にそれぞれ異なる形で処理していきました。

腕と脚【四肢】

本体残りの部分の四肢。これは脚の1枚の画像のみになりますが、四肢も上半身や腰部分同様に
・映り込み軽減のための形状変更及び黒への一部カラーリング変更
・目立つ大きなヒケ、ゲート跡を除去
・装甲パーツのフチを0.2mm均一に薄く
・各所に凹モールド、スジボリを作成
をしていき全身の完成となりました。
【全身の完成】



【世界大会に展示されていたキットとの比較】

当時のツイート
【金サザビー製作進捗 : 本体完成】
失敗ができないメッキ面への加工、ヤスリがけができない300以上のゲート跡処理など、いろいろと今までの作り方ができない中での製作でしたが、なんとか失敗なく本体部分完成しました。 pic.twitter.com/eFm6GeUAzD
— shunneige【シュン】 (@shun_m47) 2015, 2月 17
【バックパックの製作】


最後にバックパックの製作。
こちらもプラバンで加工したものを取り付けていき、スジボリ、凹モールドを追加していきました。
完成です。
【金サザビー完成】




作品名【金色(こんじき)のフラッグシップ機】
当時のツイート
【金サザビー完成、展示のお知らせ】
サザビー完成しました。作品名「金色【こんじき】のフラッグシップ機」
金曜から開催の「ガンプラEXPOジャパンツアー2015」にてGBWC2013世界チャンピオン作例としてサザビー展示いたします。 pic.twitter.com/APrnjyp7Ut
— shunneige【シュン】 (@shun_m47) 2015, 2月 23
Twitterのほうではお知らせさせていただいておりましたが、この金サザビーは今年全国ツアーを開催している
「ガンプラEXPO2015ジャパンツアー」にて「GBWC歴代チャンピオン作例」として展示されています。
(スケジュールは以下のとおり)

もう一つ。
この金サザビーはメッキ部分にメッキ特有の「ギラつき」をやや抑えるコーティングを施しているのですが、やはり強い直接光だと光を反射しすぎてしまうため、今回の展示に際し光を当てすぎない、遮光のためのディスプレイも製作いたしました。
【展示ディスプレイの製作】


組み上げたトラスに3面の黒いパネルを被せ、横と後ろからの光を遮断する「3面遮光」をします。

最後に半透明のパネルを天井部分に乗せて、直接光を拡散させます(柔らかい光に変える)。

サザビーを中に入れるとこのような展示の形に。

天井の半透明のパネルあるなしです。
やはり直接光は光を反射しすぎてディテールや一部形状などが見えなくなるのです。

ガンプラEXPO、もうすでに名古屋は開催されたのですが(撮影はモデラーネーム「けんた君」)
名古屋だけでも開催期間中には本当に多くの方が金サザビーを写真に収めてTwitter等にアップしてくださったり、「金サザビー見ました」と声をかけてくださりました。ありがとうございます。。!

金色の機鎧を纏いし剛き者。
攻めて苛烈、守して堅く
先陣奔らば味方を鼓舞し、対峙せし者は畏怖に湧く。
駆けて華、座して華
威風堂々たる佇まい、その者正しく金剛也。
Twitterのフォロワーさん「本源郷さん@hongenkyou」からこんな素敵な詩までいただき。。
本源郷さん、ありがとうございます!
そして再び今週末から今度は九州、福岡で「ガンプラEXPO2015ジャパンツアーin福岡」が開催されます。
この金サザビーも名古屋に続き展示されておりますので、ご来場いただいた皆様に一目見ていただけたら大変嬉しく思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
〜最後に〜
GBWC世界大会優勝でいただいた副賞のフル金メッキコーティングのサザビー。
同じく世界大会優勝のジュニアチャンピオンの子と合わせて世界に二つだけしかないもの。
初めてとなる「成形色(メッキ塗装)を活かした作品」
ミスができないメッキ面への加工
自分にとってたくさんの初めての経験も、その後に製作した作品でミス(スジボリや凹モールド作成)が以前より格段に減り、自分自身この経験を経てレベルアップを実感することとなりました。
なんとか自分なりの<色>を作品に落とし込み完成させることができ、そして多くの皆様に生で見ていただける機会をいただけたことを心より感謝いたします。
大変長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました!
シュン